私立恵比寿中学の魅力〜楽曲考察①仮契約のシンデレラ編〜

はじめましてツマヤです。

 

いきなりですが私立恵比寿中学ついて書きます。

最近エビ中や他のアイドルソングを聴いていて、アイドルという文化について色々思うものがあったのですが、自分の中で一端整理したくなり、ブログを始めてみました。

その様々な活動から、あらゆる視点で語られるアイドルですが、僕自身アイドル好きである以前に音楽好きであることから、主に音楽という角度から書いていこうと思います。

 

 

私立恵比寿中学。通称エビ中。幾度のメンバーチェンジを経て、

現在は6人で活動する女性アイドルグループです。

 

僕がエビ中にハマるキッカケになった楽曲は

2012年発表の”仮契約のシンデレラ”です。

 

期限を定められ、いずれ消費されるアイドルという刹那的な存在を、アイドル自身が歌うこの曲には、アイドル文化の面白さ、可愛らしさと儚さ、そして無邪気さと残酷さという魅力が集約されていると思います。

 


私立恵比寿中学 『仮契約のシンデレラ(ショートバージョン)』

 

メンバーによる台詞や、可愛らしいワルツへの展開等、様々なアイデアによって構成されたこの曲はまるでミュージカルのようで、一聴したところはそのポップな世界観がこの曲の主な魅力なのですが、個人的に思うこの曲の肝は、2番サビ後の展開、動画では3:00からの間奏に当たるシンセソロです。2番サビまでに盛り上がってきた感情を一気に爆発させるかのようなこのシンセのメロディーは、この曲が決してポップなだけではなく、シリアスなものを秘めているという事を匂わせているように聴こえるんですよね。楽曲のテンポも速く、目まぐるしく動くメロディーなんですが、その速さも含めてとても儚げで、切ないメロディーなんです。このメロディーが、仮契約のシンデレラであるということ、アイドルであるということは、華やかな存在であると同時に、それはとても儚い存在であるということを表現しているように聴こえるのです。そしてこのメロディーが彼女達の声ではなく、あくまで楽器で奏でられているということも、この曲をより音楽的に深く、重層的な構造にたらしめているのではないかと思うのです。つまり純粋にメロディーのみでしか表現できないもの、言葉では決して表現できないものがあると。あとドラムとの兼ね合いも聴いていてとても気持ち良い。ミュージカル風の楽しげな世界観を彩る彼女達の歌声や台詞が主役ならば、この間奏は名脇役ではないかと。メロディーの後ろで無邪気に、仮!仮!仮!仮!と叫ぶ彼女達には、ただ無邪気なだけではない何かがそこにあるように感じられる。時間が止まって欲しいと思ってしまう、刹那的な美がある。要は可愛くて楽しくて、うるさくて無邪気で、でもちょっと切ないこの曲が大好きです。

 

 

仮契約のシンデレラ

仮契約のシンデレラ

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